避難の損害賠償訴訟愛知岐阜判決が出た2019/08/13 11:26

8月2日、福島原発避難者損害賠償訴訟愛知岐阜の判決が出ました。
すでに多くの皆さんが知っておられるように、まさに不当判決でした。
国の責任はいっさい認めず。東電の責任は認めたものの、
賠償額は政府が出した中間指針を是として、すでに賠償金として支払われた分を引くと何も残らないという方もいるというひどいものです。
避難の相当性が認められた期間もごくわずかです。
6年間闘ってきたことは一体なんだったのかと原告から怒りの声が出ました。
小生は、この裁判については、数人の原告の方の避難元の土壌測定や汚染マップ制作などで
ささやかなお手伝いをしただけでした。積極的に関わってこれなかったことが悔やまれました。
控訴審(まだ控訴手続きは終わっていませんが)の応援団を増やしたいものです。

こういう判決を書いて、涼しい顔でそれを読み上げることが出来る男というのは、大飯原発差し止め判決を書いた樋口元裁判官が言うように、忖度男ではなく、勉強しようとか、視野を広げようとかする気が全くない、古い価値観と、馬鹿暗記の法律知識だけの馬鹿ものなのだろうなと思いながら判決要旨の読み上げを聞いていました。
原発のような高度で難しい装置を動かして、日本国に電気を提供してきた東電。
そこに不運にも大地震と大津波がやってきた。これを法で罰するのは無理だと思っているのではないでしょうか。
(判決骨子では、地震の予測可能性は認めたものの、それを回避するための努力については、
 地震対策で目いっぱいで、津波対策までは手が回らなかったことをやむを得ないものとしているようです)
この男は、地震列島の上で、取り返しのつかない事故が起きるかもしれない原発を
動かすこと自体が未必の故意であり、本来はやってはいけないことだったという風には決して考え付かないのではないでしょうか。
原発の耐震強度が1000ガル以下であって、ミサワホームの木造住宅が3000ガルに耐えるというのを聞いて、
原発はダメだと確信したという樋口元裁判長とは大違いです。

弁護団による記者会見と交流会を聞いていて、
弁護団に負けた悔しさが全く感じられないのにもちょっとびっくりしました。こんなものなのかと思っていたら、
各地の訴訟を担う弁護士さんたちは全く違って、不当判決に対する怒りと今後の闘いに向けたファイト満々でした。
この違いはいったいなんなのでしょうか。
新聞記者から、判決要旨に関して「政府による津波回避の義務について、原告側からの立証が無かったから判断の対象としなかった」と
書かれた部分の追及がありました。
いくつかの裁判に関わったことがありますが、こんなことを判決に書かれたというのを初めてみました。
控訴審では、よほど体制を組み直し、国の責任と東電の責任を明らかにしていかなければいけないでしょう。
被曝被害、生業喪失、ふるさと喪失被害についても、
きちんとした原告側からの戦略をまとめてぶつける必要があるかと思いました。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://bunamoutainski.asablo.jp/blog/2019/08/13/9140534/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。