放射線被ばく線量の基準2008/05/26 11:33

先週の授業に関する感想文で質問が多かった放射線被ばく線量の基準(被ばく線量限度)を示す。

ICRPは国際放射線防護委員会。
この表は、その1990年勧告である。この勧告に基づいて、各国は国内法の基準を改正する。
原発労働者や医療労働者などには職業被爆限度(年間20mSv)、
一般の人には公衆被爆限度(年間1mSv)が適用される。
職業被爆限度も妊娠している女性については年間2mSvと一般人に近い基準が適用される。

一般人と職業人との基準の差は、
化学物質の人体リスクに関する社会的管理政策のところで解説したものと同じ論理であることを思い出して模みよう。

ICRP勧告はたびたび改正され、次第に厳しいものになってきている。これは、被爆の人体影響について新しい知見が重ねられてきた結果である。

放射線被ばく線量と人体影響(急性障害)2008/05/26 11:47

放射線被爆線量と人体の急性障害の関係を図示したものである。
広島や長崎でひどい被爆をした人々、東海村で起きたJCO事故で被曝した作業員、チェルノヴイリ原発事故で被爆した多数の消防士や兵士たちは、数百から数1000mSvの被爆をしたことがわかる。

放射線被爆と人体影響2008/05/26 11:54

授業でも述べたように、放射線の毒性は急性障害だけではない。
がんや白血病など、晩発性の障害や、遺伝的影響があり、これらの毒性については閾値がないと考えられているのである。
つまり、これ以下なら安全という基準はなく、たとえ微量でも被爆しないほうがよいということである。

したがって、先に示した放射線被ばく線量限度というのも安全限界ではなく、なんらかのリスクがある我慢値である。