タトラ山群とアウシュヴィッツへの旅・2008 ― 2009/11/18 13:52
今年(実は2008年、すなわち昨年)の旅も準備不足。せっかく年金生活者になったというのに、ますます忙しくなっているような気がする。出発まで2ヶ月をきってしまって、ともかくウィーン往復の航空券を買った。その後でヨーロッパ全図を見ながら手ごろな山岳地帯を探した。候補にあがったのがスロベニアのユリアンアルプスとスロバキアのタトラ。ウィーンから汽車で行けるタトラに決めたのが出発の2週間前であった。
初めて歩く東欧圏にかすかな不安があったが、出かけてみると何の問題もなかった。少なくとも旅人の立場からすれば、すでに他のEU諸国と何の変わりもない。英語が通用するレベルにおいては、むしろフランスやイタリアよりも旅しやすいとすら思われた。旧社会主義圏らしかったのは、食費と交通費が安いこと。例えば、スロバキアでは中ビンのビールが0.5ユーロだった。
旅の前半はタトラの山歩き、後半は天気が崩れたので国境を越えてポーランドのクラクフKrakowに出て、オシフィエンチムOswiencim市(スペルミスではない。スラヴ圏の特徴らしく、やたら母音をケチっているのである。)にあるアウシュヴィッツ博物館を見てウィーンに戻った。
初めて歩く東欧圏にかすかな不安があったが、出かけてみると何の問題もなかった。少なくとも旅人の立場からすれば、すでに他のEU諸国と何の変わりもない。英語が通用するレベルにおいては、むしろフランスやイタリアよりも旅しやすいとすら思われた。旧社会主義圏らしかったのは、食費と交通費が安いこと。例えば、スロバキアでは中ビンのビールが0.5ユーロだった。
旅の前半はタトラの山歩き、後半は天気が崩れたので国境を越えてポーランドのクラクフKrakowに出て、オシフィエンチムOswiencim市(スペルミスではない。スラヴ圏の特徴らしく、やたら母音をケチっているのである。)にあるアウシュヴィッツ博物館を見てウィーンに戻った。
タトラ山群とアウシュヴィッツへの旅(2) ― 2009/11/18 14:07
タトラ山群とアウシュヴィッツへの旅(3) ― 2009/11/18 14:10
9/28(晴れ) ホテル8:00-(あちこち寄り道しながら徒歩で)-南駅-ブラチスラヴァ-キエフホテル-市内散策
ホテルの朝食は十分満足。安ホテルだが、一応3つ★のかいがあった。宿のランクなどどうでもいいが、朝飯の質だけは重要である。なにしろ、これがその日の行動のエネルギーを支えるのである。
重たいザックを背負って朝の街にでて、まずは聖シュテファン寺院の尖塔を目指す。次いで王宮、モーツアルトやゲーテの銅像が立つ公園、国立歌劇場のあたりなどをぶらぶらしながらブラチスラヴァ行きの電車が出る南駅を目指した。途中でタイ人のカップルと言葉を交わした。彼らも重たい荷物をかかえて歩いていた。
南駅でいきなりポプラド・タトリPoprad-Tatry行きの切符が買えた。2人で96€だった。一人分が7500円の勘定になる。列車はドナウ川を越えて東に走り、すぐに国境を越えた。あたりはどこまでも続くトウモロコシやヒマワリを中心にした穀倉地帯である。防風林に囲まれた農家も落ち着いて豊かそうである。風力発電のタワーが数10基林立しているあたりを過ぎて間もなくブラチスラヴァに着いてしまった。なんとわずかに55分で着いたことになる。この街はスロバキアの西の端っこにあって、隣国の首都ウィーンの隣町だったのである。
ホテルの朝食は十分満足。安ホテルだが、一応3つ★のかいがあった。宿のランクなどどうでもいいが、朝飯の質だけは重要である。なにしろ、これがその日の行動のエネルギーを支えるのである。
重たいザックを背負って朝の街にでて、まずは聖シュテファン寺院の尖塔を目指す。次いで王宮、モーツアルトやゲーテの銅像が立つ公園、国立歌劇場のあたりなどをぶらぶらしながらブラチスラヴァ行きの電車が出る南駅を目指した。途中でタイ人のカップルと言葉を交わした。彼らも重たい荷物をかかえて歩いていた。
南駅でいきなりポプラド・タトリPoprad-Tatry行きの切符が買えた。2人で96€だった。一人分が7500円の勘定になる。列車はドナウ川を越えて東に走り、すぐに国境を越えた。あたりはどこまでも続くトウモロコシやヒマワリを中心にした穀倉地帯である。防風林に囲まれた農家も落ち着いて豊かそうである。風力発電のタワーが数10基林立しているあたりを過ぎて間もなくブラチスラヴァに着いてしまった。なんとわずかに55分で着いたことになる。この街はスロバキアの西の端っこにあって、隣国の首都ウィーンの隣町だったのである。
タトラ山群とアウシュヴィッツへの旅(4) ― 2009/11/18 14:13

大型ドナウクルーズ観光船の団体客(ガイドさんの小旗が見える)
ブラチスラヴァは人口が50万人、豊橋くらいの町である。バスもあるが、市民の主たる交通手段は市電らしい。線路が網の目のように走っている。しかし今日は初日なので、またしても重いザックを担いでぶらぶらとドナウ川の船着場の方向を目指して歩いた。車が少なく、さして大きなビルもなく、落ち着いた雰囲気の街だ。ちょっとまとまった建物があると、それが財務省だったり農林省だったりする。
ホテルはネットで予約しておいたキエフホテル。ドナウ川に近く、あたりではちょっと目立つ10数階建ての高層建築である。荷物を置いて早速ドナウ川を目指した。船着場にはちょうどドナウ川を下ってきた大型客船が着いた所で、アメリカ人風の観光団がガイドの引率で街の見物に出かけるところであった。ウィーン方面からここを通りハンガリーのブダペストを目指してゆっくりと川を下り、要所要所で停泊して観光をするツァーである。船によってはブルガリアを経て黒海まで行くのもあるらしい。
ドナウ川に沿って上流へ進むと、左岸の小高い丘の上にブラチスラヴァ城が建っている。ハンガリー帝国の首都だったこともあるとかで、立派な城である。残念ながら修復中で中には入れなかったが、中庭まで上がってドナウ川を見下ろす絶好のビューポイントで昼食にした。ドナウ川は客船だけでなく、多くの貨物船も走っている。国際物流の動脈なのである。
ブラチスラヴァは人口が50万人、豊橋くらいの町である。バスもあるが、市民の主たる交通手段は市電らしい。線路が網の目のように走っている。しかし今日は初日なので、またしても重いザックを担いでぶらぶらとドナウ川の船着場の方向を目指して歩いた。車が少なく、さして大きなビルもなく、落ち着いた雰囲気の街だ。ちょっとまとまった建物があると、それが財務省だったり農林省だったりする。
ホテルはネットで予約しておいたキエフホテル。ドナウ川に近く、あたりではちょっと目立つ10数階建ての高層建築である。荷物を置いて早速ドナウ川を目指した。船着場にはちょうどドナウ川を下ってきた大型客船が着いた所で、アメリカ人風の観光団がガイドの引率で街の見物に出かけるところであった。ウィーン方面からここを通りハンガリーのブダペストを目指してゆっくりと川を下り、要所要所で停泊して観光をするツァーである。船によってはブルガリアを経て黒海まで行くのもあるらしい。
ドナウ川に沿って上流へ進むと、左岸の小高い丘の上にブラチスラヴァ城が建っている。ハンガリー帝国の首都だったこともあるとかで、立派な城である。残念ながら修復中で中には入れなかったが、中庭まで上がってドナウ川を見下ろす絶好のビューポイントで昼食にした。ドナウ川は客船だけでなく、多くの貨物船も走っている。国際物流の動脈なのである。
タトラ山群とアウシュヴィッツへの旅(5) ― 2009/11/18 14:16
列車がポプラド・タトリ駅に近づくと、車窓に新雪をまとったタトラ山群が見えてきた
城の丘を降りて、国立博物館に入ってみた。1階は革命やソビエトからの独立や民主化とスロヴァキア分離独立に至るまでの新聞スクラップや写真、ポスターやアジビラの展示である。2階には、古い電気器具などのガラクタの陳列があり、その先には原発の説明パネルがあった。そうだ、この国には原発があったんだ。地球の歩き方では自然博物館と書いてあったので、入る先を間違えたのではないかとぶつぶつ言いながら上の階へと進むと、ようやく岩石と鉱物の展示があった。なかなかのコレクションである。さらに最上階に進むと、動物や植物の展示があった。動物の剥製はまずまずの水準。植物は押し花にしたものをアクリルの板で挟んで見せる斬新な展示で美しい。その植物が生えている環境の写真が背景に添えられている。小さな貧しい国でも、頑張って勉強して斬新な展示を実現したスタッフがいるに違いない。但し、展示物の解説がほとんどない。
夜、旧市街のレストランで食事。チーズパスタ、ポテトフライ、ギリシャサラダ、ビール500mLx2で、530SK(スロバキアコルナ:2500円)。交通費や食材は安い国だが、レストランに行けばそれほど安くはない。スーパーマーケットの瓶ビールをのぞいてみると、スロバキア製は500mL瓶で0.45€、隣国となったチェコのPilzen Pilsner(Original Pilsnerと書いてあった)は0.96€だった。
城の丘を降りて、国立博物館に入ってみた。1階は革命やソビエトからの独立や民主化とスロヴァキア分離独立に至るまでの新聞スクラップや写真、ポスターやアジビラの展示である。2階には、古い電気器具などのガラクタの陳列があり、その先には原発の説明パネルがあった。そうだ、この国には原発があったんだ。地球の歩き方では自然博物館と書いてあったので、入る先を間違えたのではないかとぶつぶつ言いながら上の階へと進むと、ようやく岩石と鉱物の展示があった。なかなかのコレクションである。さらに最上階に進むと、動物や植物の展示があった。動物の剥製はまずまずの水準。植物は押し花にしたものをアクリルの板で挟んで見せる斬新な展示で美しい。その植物が生えている環境の写真が背景に添えられている。小さな貧しい国でも、頑張って勉強して斬新な展示を実現したスタッフがいるに違いない。但し、展示物の解説がほとんどない。
夜、旧市街のレストランで食事。チーズパスタ、ポテトフライ、ギリシャサラダ、ビール500mLx2で、530SK(スロバキアコルナ:2500円)。交通費や食材は安い国だが、レストランに行けばそれほど安くはない。スーパーマーケットの瓶ビールをのぞいてみると、スロバキア製は500mL瓶で0.45€、隣国となったチェコのPilzen Pilsner(Original Pilsnerと書いてあった)は0.96€だった。
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