上関原発問題(1)2010/10/25 00:23

朝日新聞夕刊記事

生物多様性条約締約国会議COP10で
バタバタの毎日を送っている。
そのさ中に、中国電力が上関原発予定地で
工事強行の動きを見せている。

これに対して上関現地のみなさんは、
現地での阻止行動をしながら、
厳しいスケジュールをぬって、名古屋にきて
COP10会場で様々なアピール行動で頑張っている。
その成果が、まずこの記事に出た。

上関原発問題(2)2010/10/25 00:28

朝日朝刊でNGOアピールの記事

COP10本会議でNGOがオープニングアピールを発表した。
その中で、上関問題が盛り込まれていた。
情けないことに、日本のNGO だけではここまでやれなかったが
世界ネットであるCBDアライアンスが持ち込んだ世界のNGOの常識
がここまでサビの利いたアピールにさせたのだと思う。
NGOはこうでなくっちゃ!
本文は英語だが、以下に仮訳を貼りつけておく。

<NGO CSO 声明 22 October 2 010(仮訳)>

議長ありがとうございます。市民社会を代表して声
明を発表できることを嬉しく思います。

CBD は社会正義、環境正義を扱っています。私たち
はこのCOP の手続きや内容について大きな懸念を
持って
います。第2週目に革新的なアプローチがなけれ
ば、この締約国会議はその目的を達成せずに終わる
でしょ
う。生物多様性のコペンハーゲンになってしまいま
す。

私たち市民社会がやっと本会議で話すことができる
ということそれ自体が遺憾なことです。我々の声が
聞か
れるべきです。それは私たちの権利であり、私たち
は重要な解決に向けた経験を持っているのです。
コペンハーゲンと同様に、北の政府が条約の三つ目
の目的にのっとった法的拘束力のある公約を行うこ
とを
拒否し、資金供出の公約を遵守することを拒否して
いること、これらが、このCOP が失敗に向かいつつ
ある
理由であると感じています。

強い執行と遵守の手法を持ち、バイオパイラシーを
止められ、「先住民の権利に関する国連宣言」に正
式に
定められた先住民地域共同体の権利を尊重し、保護
し、知的財産のルールの優位を防ぐような、法的拘
束力
のあるABS 議定書の採択を私たちは政府に求めます。

北の国の生態系に対する負債の観点から、新規の追
加的な財政資源の動員に明確で意欲的な目標を組込
むこ
とを先進国に求めます。締約国は、森林炭素オフ
セット市場や生物多様性オフセット、グリーンでベ
ロップ
メカニズムのような危険で、科学的立証の不十分な
手法をさけるべきです。そして、2020 年までに生物多
様性に悪影響を及ぼす補助金や事業を含む負のイン
センティブを取り除くことを求めます。
締約国は、強い、意欲的な戦略計画に合意すべきで
す。そして、2020 年までに、以下のことをしなければ
なりません。
・森林伐採、過剰漁獲、埋め立てや土地転換を含む
自然生息地の破壊を終わらせることで生物多様性の
損失
を止めること
・破壊的な産業的農業や養殖業やバイオエネルギー
の拡大を縮小に転じること、生態系への窒素流入を
減ら
すこと
・貧困と生物多様性の損失の原因である根本的な不
平等に取組むため、小規模生産者の生活の権利を保
護し
守ること、そして、意思決定への彼らの参加を拡大
すること
・先住民地域共同体、女性の十分で効果的な参加の
もと、特に、海洋保護地域を含む、保護地域の完全
な代
表性を確立すること。彼ら全ての権利、特に抑圧の
ない状態での事前の十分な情報を得た上での合意
(FPIC)を尊重すること
・2020 年までに全ての野生動植物の利用を生態学的
に持続可能で、法律に基づくもので、追跡可能なもの
とすること
・特に先進国における資源やエネルギーの全般的か
つ特別な消費現状の非持続可能な生産や消費のパ
ターン
を終わらせること

締約国は以下のことをしなければなりません。
・先住民地域共同体の文化的知的遺産を尊重する倫
理規定を採択すること
・森林と持続可能な森林管理の適切な定義を確立す
ること
・地球工学、構成生物学などを含む、生物多様性を
危機にさらす可能性を持つ新しい技術の開発、テス
ト、
野外への放出、使用に関する一時停止(モラトリア
ム)を採択し、維持すること
・遵守や執行メカニズムの開発によって、決議の実
施に焦点を当てること
・国連生物多様性の10 年の提案を採択すること

市場に基づいた手法を促進し、気候変動を「性急に
対処しよう」とする他の国際的なメカニズム、条
約、国
連機関に浸食されつつある条約の基本原則の優位性
を、締約国は改めて公約するべきです。

皆さん、この機会を使って、今進行しつつある悲劇
について強調したいと思います。このCOP が開催す
るち
ょうど1 日前に、西日本の沿岸、上関で原子力発電
施設の開発が始まりました。これによって地域住民
の生
活や海洋環境に破壊的な影響をもたらすことでしょ
う。

私たちは日本の市民社会と一帯となって活動してい
ます。

皆さん、それぞれに、生物多様性条約を実施するだ
けではなく、現在と将来世代の人類の尊厳と福利を
守る
ために行動する道徳的、法的義務があります。
母なる地球は売り物ではありません。どん欲な経済
はいりません。必要なものは、そう、公正と正義と
生物
多様性です。

10 月22 日本会議場にて
道家哲平 生物多様性条約市民ネットワーク
Ramya Rajagopalan(ラミア ラジャゴパーレン),
The International Collective in Support of Fishworkers (ICSF)

上関原発(3)2010/10/25 00:41

アピール文原文の前半

上関原発(4)2010/10/25 00:43

アピール文後半

NGOブース2010/10/26 00:00

朝日新聞2010.10.25

熱田会場のNGOブースを紹介する記事が出た。
生命流域作業部会に参加していただいた15団体が
共同のスペースを持ち、
御嵩町町有林で我々が間伐したヒノキのテーブル4基
でワークショップ空間も作った。
21日はここで上関原発反対の講演会を1日中行った。

里山を破壊して強行されそうなトヨタテストコース問題では、
COP10支援実行委員会(名古屋市、愛知県、中部財界)などの
関係者から、非公式だったが
「過激すぎるタイトルだとして変更を求める打診」がくるという
出来事もあった。