飯豊連峰・石転び沢20132013/06/04 22:55

石転び沢の上にそびえる北股岳


2013年5月24日(金)~26日(日)

日本有数の大雪渓である飯豊連峰・石転び沢。5月の下旬だというのに標高600m以下まで雪渓が残っていて、落差約1300mの大滑走が出来る。北アルプスの白馬大雪渓や針の木雪渓に勝るとも劣らない。ブナの木スキークラブにとって今回は3度目の石転び沢遠征になる。前回と前々回は、飯豊山荘に宿泊して首尾よく十文字鞍部(梅花皮小屋)からの日帰り滑走に成功している。ところが今回は、道路整備が遅れていて飯豊山荘も営業していなければ、林道のゲートも開いていない。やむなく、ゲート手前の国民宿舎・梅花皮(かいらぎ)荘に宿泊して4.5キロの林道歩きを覚悟して出かけた。

飯豊連峰・石転び沢2013(2)2013/06/04 23:23

国民宿舎・梅花皮(かいらぎ)荘から残雪豊富な梶川尾根を望む


コースタイム:
5/24(晴れ) 名古屋9:00-(長野・新潟)-17:00梅花皮荘
5/25(快晴) 5:00起床、朝食-6:00梅花皮荘出発-(車)-6:15飯豊山荘・林道ゲート前(375m)6:27-6:53温身平(450m)-砂防ダム-7:22小休止(475m)7:27-(ババマクレ通過)-8:15滝沢出合から400mほど下流で梅花皮沢雪渓にのる(575m・シール登行開始)8:46-9:34石転び沢・門内沢出合(850m)9:50-10:45休憩(1215m地点)11:05-11:55休憩してアイゼン登行開始(1475m地点)12:28-13:40十文字鞍部(1850m)14:22-14:51石転び沢・門内沢出合(850m)15:15-15:24長靴デポ地点(575m)15:43-16:48砂防ダム16:54-17:25飯豊山荘林道ゲート(375m)17:40-(車)-17:52梅花皮荘
5/26(晴れ) 梅花皮荘出発10:00-19:00名古屋

飯豊連峰・石転び沢2013(3)2013/06/04 23:29

梅花皮荘の奥にある川入民宿の田んぼに映った逆さ梶川尾根


5/24 出発は金曜日の朝。前々回は夕方6時出発で、必死に走って夜中の12時(所要6時間)に飯豊山荘に入っている。これと比べれば余裕しゃくしゃくののんびり旅である。高速道路上からは、中央アルプス、南アルプス、北アルプス、妙高山や火打山を擁する頸城山塊などがまばゆく光っているのを見ることが出来た。北陸道に入るとのんびりとした日本海が美しい。新潟からなおも北上し荒川胎内ICで高速を降り、関川村の酒屋さんでアルコールを仕入れて県境を越え、山形県小国町で国道から外れて、長者が原へ。圧倒的な残雪をまとった飯豊連峰が眼前に迫ってくる。国民宿舎・梅花皮荘への分岐点に林道ゲートがあるのだが、なぜかそれが開いている。もしやの期待にほくそ笑みながら梅花皮荘のフロントに行くと、明日からゲートが開かれるという。ばんざ~い! すぐさま明朝の出発予定時間を5:00から6:00に変更した。
 梅花皮荘の浴室はなかなか豪華で、窓からの風景も素晴らしい。門内岳を経て北股岳に至る夏道がつく梶川尾根のゆったりとした稜線が夕陽でピンク色に染まって美しい。残雪が豊富で、どこでも滑れそうに見える。新緑とのコントラストが実に良い。この風景は食堂の窓からも見えて、山菜中心の素朴だが好感のもてる夕食と共に、なかなかのご馳走である。

飯豊連峰・石転び沢2013(4)2013/06/04 23:32

いざしゅっぱぁ~つ・・・温身平にて


5/25 おにぎりにしてもらった朝食を部屋で食べて、予定通り6:00出発。飯豊山荘までの林道は車でわずかに15分であったが、歩けばかなりの負荷になったに違いない。飯豊山荘の林道ゲート前にはすでに10台ほどの車が駐車していた。こんなに大勢の人が石転び沢に入るのだろうかと驚いたが、ほとんどは渓流釣りの人々であった。
 足元は長靴である。スキーとスキー靴をくくり付けたザックは重い。やっこらしょと担ぎ上げていざ出発。飯豊本山へ向かうダイクラ尾根ルートと石転び沢ルートとの分岐点である温身平に着くと、はるか上方に目指す十文字鞍部の円弧が見える。ここから砂防ダムまでは夏の散歩道として整備されているが、その半分以上が残雪の下である。例年より残雪が多いのかもしれない。

飯豊連峰・石転び沢2013(5)2013/06/04 23:35

梅花皮沢雪渓を登る


砂防ダムの階段を上がって、いよいよ夏道登山道に入る。背中に背負ったスキーが雪で曲げられた灌木に引っかかり、そのたびに腰をかがめてやり過ごさなければならない。雪の上には一人分の足跡。先行者がいるらしい。標高500m付近で梅花皮沢の川幅がやや狭まってきたあたりで、ババマクレと呼ばれているらしいいやな草付きのへつりが始まった。夏道が冬の雪に削られてぐずぐずになっている。急斜面の下、沢底までは数10mもあり、落ちるわけにはいかない。スキーを背負っているので慎重に足を運んだ。