ブルーギル放流記念碑2006/06/01 00:06

ブルーギル放流記念碑
今や、有害外来生物の横綱格となったブルーギル。
じつは、当時の皇太子(現天皇)が、訪米した時に土産として持ち帰り、
国に水産研究所を経て、全国各地の水産試験場に配られたもののようです。
お目出度い「プリンスフィッシュ」だとしてもてはやされたそうです。
その放流第1号を記念した石碑が伊豆半島の一碧湖にあります。
友人がたまたま見つけて写真を撮ってきてくれたものを示します。

生態系を破壊する生物として駆除対象になっているブルーギルも、
当時は「釣り環境を文明の破壊から守る」ために放流されたのでした。
わずかに40年前のことです。

「沈黙の春」をもたらすDDTの発明者がノーベル賞を受賞し、
若年性膣がんを多発させたDES(ジエチルスチルベストロール)の発明者がナイトの称号をもらったのと同じように、
わずかに数十年で、夢の化合物、善玉生物が
有害物質、有害生物へと転落。
PCBもフロンも同様でした。マングースの事例もそうです。

やれやれ、我々人類の先の見通しの悪さは構造的なもののようです。
しかも、文明の発展に比例して、間違いの数とスケールは増大しているようでもあります。

性懲りもなく、遺伝子組み換え、臓器移植、原子力発電など
不確実で、かつ、いったん失敗すれば取り返しのつかない事故、
汚染を引き起こす巨大技術です。
どこかでなんとか歯止めをかけないと・・・

 <ブルーギル放流記念碑>碑文

昭和41年一碧湖に初めて放流され
た6千余匹のブルーギルは去る35年
皇太子殿下が米国から持ち帰られたブル
ーギルの孫に当たります。
 釣することがめまぐるしい文明の世に
あって人と自然との対話に役立つとした
ら遊漁資源を開発し釣環境を文明の破壊
から守ることにも積極的な意義が認めら
れるべきでありましょう。
 伊東市
 水産庁淡水区水産研究所
 東レ株式会社
の三者協力の下に三ヶ年漸く実を結んだ
この放流事業がゲームフィッシュ愛護運
動に対する釣人はじめ有識者の関心を強
める機縁となれば誠に幸です。
昭和44年4月
    ブルーギル記念碑建立に際して
             関係者一同

(改行、句読点は原文のまま)

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