上関デー2010/10/26 12:40

10月21日、熱田会場NGOテントの中のワークショップ会場で、
終日、上関原発問題のワークショップを行った。
御嵩町有林産のヒノキのテーブルが大活躍している。

御嵩町有林のヒノキのテーブル2010/10/26 12:35

1年ほど前に間伐切捨てして、葉がらし状態だったヒノキを
なごや環境大学が募集した若者の力を借りて運び出し、
御嵩町に唯一残る三共木材で製材してもらったものを、
名古屋市愛岐処分場職員と若者の協力でテーブルに仕上げた。
天板の厚さが60ミリ、180センチX90センチの堂々たる作品に仕上がった。

民主党環境部門会議との懇談会2010/10/26 12:25

木曽川・伊勢三河湾流域圏マップ

民主党環境部門会議所属の10名の議員がCOP10で来名し、
NGOの意見を聴く会が開催された。
座長は、前環境副大臣の田島氏、地元選出の石田芳弘氏もいた。
CBD市民ネットワーク生命流域部会として発言したが、
制限時間が何と3分。1分超過して4分でしゃべったが大変だった。
その時に提出した資料は以下の文章だった。
上の図が文章に付いている。

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民主党環境部門会議IN名古屋
環境NGOとの意見交換会レジメ
2010年10月25日 

「水源基金制度や水利権の見直し、水道料金の自治体間格差の解消など、抜本的な上流域および沿岸域支援政策を求めます

」生物多様性条約市民ネットワーク・生命流域作業部会
部会長代行 大沼淳一

私たちは、生物多様性条約第10回締約国会議COP10の名古屋開催をターゲットとして結成された生物多様性条約市民ネットワークの16作業部会のうちのひとつであり、地元名古屋に事務局を置く二つの部会の内のひとつ、生命流域作業部会です。

南北問題
生物多様性条約の根幹には南北問題があると考えます。遺伝資源の利用と利益の衡平公正な配分に関するABS議定書が名古屋会議最大の課題となり、生物多様性の損失速度の緩和をめぐって先進国と途上国が激論をたたかわせ、先住民族代表団が大挙して参加するなど、会議は南北問題を軸にして進行しています。
 日本国内で起きている生物多様性をめぐる様々な出来事もまた南北問題だということが出来るでしょう。東海地方の中心を形成する木曽三川集水域及び伊勢三河湾流域に例を取るなら、下流域都市圏が工業生産額日本一の座を30年間以上にわたって独占し、工業製品の輸出で繁栄しています。一方、上中流域山間地帯は過疎と高齢化、農林業不振で疲弊しています。沿岸域も水質汚濁や後継者不足で日本一豊かだった伊勢三河湾漁業が衰退しています。
 これらの繁栄と疲弊・衰退は無関係ではありません。それどころか、強い因果律でつながっています。すなわち、下流域都市圏の経済成長を支えたのは上流域および沿岸域から集められた労働力でした。工業製品を輸出するためにWTO自由貿易体制に加入し、それと引き換えに安価な農林産物をノーガードで輸入し、それによって国内農林漁業が大きな打撃を受け、食料自給率39%、木材自給率20%という事態を招いたのです。輸出産業の利益の一部は、下流域都市圏自治体に法人事業税や所得税として入りますが、上流域や沿岸域にはそれがないばかりか、産業廃棄物が持ち込まれて汚染を引き起こしてきました。豊かだった沿岸域の中でも、もっともおいしい海産物が採れる海岸線の50%以上がコンクリートで固められ、魚たちの揺りかごであった藻場や干潟が埋め立てや水質汚濁で姿を消しました。
 もうひとつ、下流域都市圏の繁栄の基礎となったものは木曽三川の安全でおいしい水であり、農林水産物でした。これはまさに上流域および沿岸域生態系の恵みであり、生物多様性条約の文言を借りれば、「生態系サービス」の享受によって下流域都市圏の発展があったのです。

都市の責任
 クリチバで開かれたCOP8、ボンで開かれたCOP9において、生物多様性保全に関する都市の責任が宣言に盛り込まれました。これは都市の中の限られた緑地や水辺を守ることに限定されるべきではありません。上流域および沿岸域の生態系サービスを享受する都市には、その生態系およびそこで暮らす人々の農林水産業の営みを支える責任があります。それが果されていない現状は、まさに、下流域都市圏のタダ乗りタダ飲み、タダ食い状態だということです。
 豊田市によって日本で初めて創設された水源基金制度は、その後、横浜市や神奈川県に波及し、愛知県内では日進市などで構成される中部水道企業団でも積み立てが開始されました。水道料金に上乗せして1トン当たり1円を徴収して、上流域の森林保全と雇用創出に貢献する制度です。しかし下流域最大の都市名古屋では実現していません。
 一方、都市型の生活が遅れて導入された上中流域と下流域都市圏の水道料金には大きな格差があります。大正3年に木曽川の自流水利権をタダ同然で手に入れた名古屋市の水道料金は、木曽川が貫流する御嵩町や美濃加茂市、八百津町などの水道料金の半分以下なのです。1トン当たりで比べると格差は100円を超えます。1トン1円では格差の解消にはほど遠いのです。(それでも上流域からは大いに助かっているとの声が寄せられています。)
 繁栄する下流域都市圏から疲弊する上流域および沿岸域にむけての抜本的な支援政策が早急に必要です。水源基金だけでなく、水道料金の自治体間格差解消政策などがすぐにでも出来る政策となるでしょう。リーマンショック以後あふれている失業者、非正規雇用労働者が上流域や沿岸域に向かいやすくするような政策展開も必要です。このことは、食料安全保障の危機に対する政策ともなるでしょう。
 
水利権と下流域利水の矛盾
 知多半島ではおいしい木曽川の水が工業用水や農業用水にあてられ、飲料水となる都市用水にはまずい長良川河口堰の水が配水されています。長良川河口堰の水がまずいことは水質データや、浄水場での活性炭投入量でも明らかになっています。
 こうした馬鹿なことが起きているのは、旧態依然とした水利権制度の矛盾が露呈しているからです。無駄なダムを造り続け、長良川や揖斐川、木曽川の河川生態系をズタズタに破壊してきた国土交通省の積年の垢がたまった結果だということも出来るでしょう。
 長良川河口堰のゲート開放など、ダム行政の見直しと同時に、国土交通省が一元管理してきた水利権制度や利水の見直しを早急に図る必要があります。

王滝村の「水と緑のふるさと基金」と半田市(2)2010/09/26 12:49

半田市もたいしたものである。
かつては木曽川水源を飲んでいたが、
長良川河口堰が完成してからは、やや汚れた河口堰の水を飲まされている。前に市長の榊原さんは、水源の木曽川への転換を公約して当選したが、水資源機構と愛知県の頑迷なる厚い壁に阻まれて果たせなかった。
新市長も榊原さんという人であるが、前市長の志を継いで、
王滝村への寄付金を続けているようである。

知多半島には、「生命流域シンポ」で分科会を担当していただいた
東浦町議の神谷さん、常滑市の前市議・杉江さんなど、
木曽川水源への復帰を訴える方々がいるが、まだ半島全体の声になっていない。
まずい河口堰に水を飲まされていることへの不満・苦情は多い。
しかし、愛知県や国に対してモノ申すことに憶病なのである。
このようなことは、まさに、地方の時代と言われて久しいにもかかわらず、いまだに中央集権、上意下達の悪しき秩序が壊れていない、この国の深い病の実情を示しているのである。

この悪しき構造に、水問題を突破口として改革のメスを入れて行きたいものである。
それにしても、下流域都市圏最大の水消費者である名古屋市が、
全く何もしようとしていない現実、まずもって、このことに市民の関心を呼び寄せて行かなければならない。

王滝村の「水と緑のふるさと基金」と半田市(1)2010/09/26 12:38

信濃毎日新聞の山越記者から新聞が送られてきた。
王滝村の「水と緑のふるさと基金」に下流域自治体として唯一
寄付金を送り続ける半田市について深くてていねいな取材を重ねた成果が記事になったのである。
(大きな記事なので、上下に分けて貼ることにした)

山越さんとは、本年7月の「生命流域シンポジウムin王滝村」を
開催した時に、会場である名古屋市民おんたけ休暇村でお目にかかって以来である。
彼は、その時も信濃毎日に大きな記事を書いてくれた。
その後、上流域長野県の県紙としての信濃毎日新聞の記者として、
下流域の取材を重ね、このような記事にしていただいたことに
敬意を表したい。