ツブカル山とモロッコの旅(16)2006/11/15 00:00

頂上から南方を望む
(サハラ砂漠が直接に見えるわけではないが・・・)

ツブカル山とモロッコの旅(17)2006/11/15 00:02

ツブカル山頂でハーモニカを吹く

ツブカル山とモロッコの旅(19)2006/11/15 23:17

オートアトラスの峠越え
(ヨーロッパからの車が多い。スペインからフェリーでジブラルタルを渡ってタンジールに上陸するらしい。道端には土産物屋が店を広げていた。)

     <第5日>

9/20 (晴れ) ネルツナー小屋8:10-11:50イムリル村~昼食後、マラケシュへ。
 
一昨日登ってきた道を淡々と下った。イムリル村のゲストハウスで、馬子のマフメッド君の最後の料理。やっぱりタジンであったが、牛肉を使った贅沢なもので、旅を通じて最高の味であった。
 昼食後、マラケシュから上がってきたスリマン君のランクルで下山。荷物を預けてあったアンダルースホテルへ。フロントで荷物を受け取って部屋に案内されると、どうしたわけかスィートルーム。なんだか狐につままれたような気分で、豪華な湯舟につかった。登山活動はこれでおしまい、明日からはモロッコ観光だ。

       <第6日目>

9/21(晴れ)
 マラケシュ-ワルザザートOuarzazate
 
手配の車がホテルにやってきた。なんと、黒塗りのベンツ!ただし、65万キロも走ったしろものだ。ドライバーは、これまたマフメッド君。馬方のマフメッドは30歳くらいだったが、このドライバー君は43歳。幸いにも英語がかなりいけるので、道中でいろいろな話が聞けて退屈しなかった。
 今日はアトラス山脈の峠を越えてサハラ砂漠の町まで走る。200kmほどの行程だ。アトラス山脈は3つに区分されていて、西側がアンチアトラスAnti Atlas、真ん中がオートアトラスHaut Atlasといって最も高く険しくツブカル山もこの山脈に属している。東側はモワイヤンアトラスMoyen Atlasと呼ばれている。今日越えるのは真ん中のオートアトラスで、峠の標高は2300mである。
 乾いた赤褐色の台地を一路南下し、やがて山岳地帯に入った。乾季のせいもあるが植物は道端のユーカリとサボテンぐらいしか見当たらない。そのサボテンには赤い実がたくさんなっている。食用、薬用に利用されるということだ。冬には雪で凍結もするという峠道だが、今は快適な気温でクーラーが要らない。
 峠を過ぎると、長い下り坂。下りきったあたりにアイトベンハッドゥAit Ben Haddou要塞があった。日干し煉瓦で造られた要塞村である。1987年に世界遺産に指定されたということであったが、赤褐色の小山の斜面に同色の家並みが重なり合うように建てられている。なかなかの迫力である。この村で「アラビアのロレンス」など多くの映画が撮影されているそうだ。帰ったら改めて「アラビアのロレンス」を見なくっちゃぁ~。ワルザザードの町に入る少し手前に映画のセットが2箇所もあった。砂漠を舞台にした映画の撮影場所として繁盛しているそうだ。
 ホテルに荷物を置いて散歩に出た。町外れのティフルトゥトTifoultoutteのカスバKasbahまで歩いた。新しすぎてアイトベンハッドゥほどの迫力がない。帰りに迷子になってしまって、下校中の女学生たちに聞いても要領を得ない、やっと警官を捕まえて聞いたがこれもだめ、最終的には親切な電気屋の主人に聞いてホテルにたどり着いた。たいして大きくもない街なのだが、すべてが赤褐色の景色であることが禍いしているらしい。