第3回木曽川流域圏シンポジウムの報告(4)2010/01/12 12:38

サシバ 

小和沢の生物調査を13年間余り、合計159回にわたって続けてきたスズサイコの会・梅北征子さんの報告は圧巻だった。サシバ、オオタカ、ノスリ、ハチクマ、クマタカなどの猛禽類、キクイタダキ、ウソ、ミゾゴイ、コノハズクなど・・・次々と登場する鳥たち、小和沢は実に豊かな鳥たちの棲みかとなっているのだった。植物に関するデータも鳥に負けない豊かさを示し、絶滅が危惧される植物が多数確認されていることが明らかになっているが、盗掘を恐れて写真が映されなかったのが残念だった。「スズサイコの会」と御嵩町民中心の「オオタカと美しい自然を守る会」が続けてきた膨大な調査記録は、「小和沢利用計画指針のための基本的考え方(案)」に対する意見書でも大きな役割を果した。検討委員会はこの貴重なデータについて議論しなかったし、御嵩町役場も評価しようとしていないのは残念なことである。専門家の調査ではないというのが彼らの言い分のようだが、分類学や生態学の分野では在野の研究者、卓越したアマチュア研究者が果たしてきた役割は大きい。レッドリストなどの基礎データでもそれらは大きな貢献をしているし、万博開催をめぐって揺れた海上の森の環境アセスメントでは専門家の調査結果の誤りがお母さんグループの調査で次々と明らかにされたことは記憶に新しい。そもそも、牧野富太郎やファーブルだって在野の研究者だったのである。
 第1部は名古屋市の水源林に関する提案を総合討論への宿題としていったん締めくくり、休憩をはさんで第2部のみんみん演奏に入った。間伐材で製作された創作楽器「みんみん」を、創作者である川合ケンさん自身が演奏してくれるという貴重な時間である。華奢に見えるが意外に堂々とした音である。イマジンなど数曲が演奏され、最後は「ふるさと」を参加者も一緒に合唱して終わった。

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