大山・三瓶山2016/04/29 11:37

荒々しい大山南面の岩壁

 大山の中腹に位置する大山寺で開催された中国地方反原発反火電等住民運動市民運動連絡会議の2015年度合宿に呼んでいただいたついでに、大山と三瓶山に登ってきた。ちなみに、講演のタイトルは「脱原発社会への道」だった。
 大山(1709m)は中国山地随一の高峰である。大山の登るのはこれで3回目。1回目は学会出張のついでに登った。2回目は岡山の友人・真実さんの案内で、両側がスパッと切れ落ちた頂上稜線を縦走した。三瓶山の方は全く初めてである。さして高い山ではないが200名山に数えられている秀峰であり、前からなんとなく気になっていた山であった。

大山・三瓶山(2)2016/04/29 11:54

三瓶山噴火口(外輪山の凹凸に男、女、子、孫の名が付く)

11月15日(雨のち晴れ)大山寺9:20-(米子道)-11:45三瓶山自然観察館駐車場(585m)11:57-13:32男三瓶頂上(1126m)14:00-14:45女三瓶(957m)14:55-16:03自然観察館駐車場16:10―(米子道)-18:00大山寺・山楽荘

11/15 まだ雨が降っている。午後から回復することはわかっているが、このまま大山に登る気がしない。天気は西から回復してくるので、先に三瓶山に登ることにした。メガソーラーの見学に出かけた合宿参加者と別れて、米子道を出雲まで走り、そこから国道を南下したのだがルートファインディングが悪く、想定以上に時間を喰ってしまった。とりわけ県道53号は最悪で、対向車が来たらえらいことになる恐ろしい道であった。それでもなんとか三瓶山北麓の自然観察館の駐車場に車を置いて出発。登るにつれてガスが切れてきて、麓の町と海岸線が見えるようになってきた。こんな低い山でもよく発達したブナ林の中を登っていく。山頂(男三瓶おさんべ)に到着した時にちょうど晴れて、出雲大社のあたりまで見渡せた。頂上はゆるやかな凸凹がある草原になっている。その南端までいくとスパッと切れ落ちた壁になっている。昼食を食べて女三瓶(めさんべ)を目指して出発。思いがけず両側が鋭く切れ落ちている細い稜線を下降していく。木が無ければかなりの高度感があるに違いない。ところどころにロープも張ってある。標高850mまで下ってから女三瓶(957m)に登り返す。TV中継用のアンテナが林立してなんとも味気ない山頂である。しかし、ここから見上げる男三瓶や緑色に光る火口湖の眺めは素晴らしい。三瓶山は10万年前に噴火して大きな火口が出来ている。その縁の凸凹に男三瓶、女三瓶、子三瓶、孫三瓶という名前が付いている。男三瓶の山頂南端から見たのはその火口壁だったのである。

大山・三瓶山(3)2016/04/29 12:01

女三瓶から男三瓶を見上げる

 女三瓶の山頂で会った二人組としゃべりながらの下山となる。大田市の人たちで、この山のことに詳しい。男の人は1962年の蒜山で開催されたインターハイに出場したそうである(ボクは、その前年に朝日連峰で開催された時に出場している)。明日は大山に登るのだというと、この男の人が鉤取峠から大山の南面を見て帰れという。絶景なのだそうだ。
 素晴らしい紅葉の中を下山して、駐車場に戻り、今度は県道53号を避けて米子道に入り、夕食までに大山寺の山楽荘に戻ることが出来た。夕食は食べきれないほどのおいしい精進料理だった。

大山・三瓶山(4)2016/04/29 12:05

大山北面(元谷るーとから)

11月16日(快晴)山楽荘(770m)7:49-8:09元谷(河原で道に迷って10分間のロスタイム)-9:26行者別れ(1250m)-9:41避難小屋(1350m)―10:21山頂稜線(1600m)-10:40頂上(1709m)11:12-12:02行者別れー12:37阿弥陀堂(795m)12:47-(僧兵コース)-大山寺本堂-13:09山楽荘(770m)14:00-(大山南面の見物)-蒜山インターー(米子道・中国道)-17:00玉野市

11/16 宿の窓から見上げた空は快晴。その青空をバックに大山の北面の岸壁が聳えている。宿の好意で早飯を食べさせてもらって出発。下山したらお風呂に入っていってくださいと親切な宿のおかみさんの声に送られて、元谷ルートを登り始めた。涸れた谷に出たところで道に迷って10分ほどのタイムロス。谷の右岸に小屋があり、それに惑わされたのである。登山道は左岸を登っていたのだった。その登山道に戻ってすぐさま急な木製の階段が始まる。稜線の行者別れまで落差300m以上の急登である。稜線に出ると急に登山者が増えて賑やかになった。さすがに大山である。
 約1時間で山頂稜線に出た。宍道湖、中海、はるかに昨日登った三瓶山も見える。ダイセンキャラボクの間を縫うように木道が設置されている。それをたどって頂上到着。最高点までのやせ尾根は進入禁止になっているのでここが終点。昼食を食べて下山開始。今度は旅館街に至る正面ルートを下る。
 阿弥陀堂まで下ったところで右へ折れて、僧兵コースと書かれた道に入ってみた。これが結構遠回りで、谷を渡って大山寺本堂の裏手に出た。本堂を見学して、山門から山楽荘に戻った。宿のご厚意に甘えて、お風呂に入れてもらい、さっぱりしたところで今夜止めてもらう岡山県玉野市に向かう。
 まだ陽も高いので、そのまま高速道路に乗るのでなく、三瓶山で会った太田市の人から教えてもらった大山南面の見物のために鉤取峠に向かう。これがなかなかの絶景で、もう一つの大山の魅力を見せている。西から見た伯耆富士の端正な姿はどこにもない。荒々しい岩壁が屹立しているのであった。(

大山・三瓶山(5)2016/04/29 12:10

大山山頂から先の稜線

最高点はこの両線上にあるが、立ち入り禁止で行けない。20年前はこわごわ両側がスパッと切れた蟻の戸渡しを越えて縦走したのだが…