第3回木曽川流域圏シンポジウムの報告(6)2010/01/12 12:41

 その長良川河口堰のまずい水を飲まされている知多半島・東浦町で木曽川水源への復帰を訴えている神谷さん(東浦町議)は、工業用水に回されている木曽川の水を都市用水(飲み水)の管路に流し、長良川の水を工業用水に回すというスワッピング案を図入りで紹介した。すでに管路は全てつながっていて、単にバルブを切り替えれば良いだけの話なのである。現実に長良川上流で化学薬品が流入した時は緊急時対応ということで知多半島の都市用水が木曽川水源に切り替えられたことがあったそうである(2000年の出来事)。水問題はハードでなくソフトだけで解決できることが多いという指摘はとても重要である。水利権をふりかざして水の調整と融通をしようとしない国土交通省や愛知県企業庁は、実に莫大なムダと不条理を生産し続けている。神谷さんの報告でもう一つ素晴らしい指摘があった。「洪水と旱魃は防げない」である。すでに国土交通省は100年に一度来るような洪水は防げないことを認めるようになったが、100年に1度の旱魃については今だにダム建設の言い訳に使って、調整と融通を認めようとしていない。もうダムの時代ではないのである。造りすぎたダムの補修だけでも莫大なお金とエネルギーが必要なのであって、これ以上のダムを造るべきではないのである。これほど説得力のある神谷さんの意見書案が、東浦町議会で自民党と公明党の反対にあって6:13で否決されたそうである。

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